20

木造は地震に弱い?木造住宅の耐震と防災対策

東日本大震災から10年が経過しました。震災により、家づくりに対する価値観や思いが変わった方も多いのではないでしょうか。

地震の多い日本では、耐震性や耐久性は家づくりで重要視されていることのひとつです。木造住宅は鉄骨造やRC造にくらべて弱いイメージがあり、耐震性への不安の声も聞かれますが、実際のところはどうなのでしょうか。

今回は、木造住宅の耐震性能について、そして家づくりに役立つ防災対策についてご紹介します。

軽いから地震に強い

住宅をつくる材料にはおもに、木(木造)、鉄(鉄骨造)、コンクリート(RC造)があります。木は鉄やコンクリートと比べてやわらかいイメージがあるため、鉄やコンクリートより強いわけがないと思われがちですが、じつはとても地震に強い建材です。

理由のひとつは、その軽さ。鉄やコンクリートはビルやマンションなどの建築にも使用されるほど強い建材ですが、その分重量があり、重さに比例して大きくなる振動エネルギー(地震力)の負荷も高くなります。

一方で木は軽く、同じ大きさの家なら木造住宅のほうが地震の影響を受けにくいといわれています。

強度や耐久性も優秀

もちろん、いくら軽くても発泡スチロールのようにもろい素材では意味がありません。

軽いうえに「強い」ことが木の特性で、同じ重さでの強度を比べると、スギは鉄の約4倍の引張強度(一定方向に材料を引っ張り、ちぎれるまでの強さを表した数値)とコンクリートの約6倍の圧縮強度(同じ大きさの材料をつぶすのにどれくらいの力が必要かを表した数値)をもっています。

さらに、木は年月を重ねるごとに強度が増していくという他の材料にはない特性をも備えています。鉄やコンクリートは新築時をピークに経年劣化により強度が落ちていきますが、ヒノキは伐採後200年間はむしろ強度が増していくといわれています。

火災にも強い

二次災害の火災に対しても、木造住宅は鉄骨造の住宅以上の強さをもっています。

燃える素材である木は火に弱いと思われがちですが、木は燃えるとまず表面が炭化し、この炭化層が酸素の供給を遮断するため内部まで燃え進むのに時間がかかります。一方で、鉄骨造の建物は一定の温度に達すると骨組みが変形してしまい、一気に倒壊する恐れがあります。

熱を受けてわずか数分で強度が急低下する鉄骨造に比べ、木造の建物は倒壊するまでの時間が長く、より安全に避難できるといわれています。

軽くて丈夫な木の住まいは地震に強い

このように、軽くて強い自然素材である木は地震大国と呼ばれる日本の風土に適した建材です。1000年以上前に建てられた木造建築が現存することからも、木の強さや自然をいかす古くからの知恵に感心しますね。

わたしたち棟匠は、木の特性先人の知恵を存分にいかし、末永く安全に、安心して暮らせる家づくりを大切にしています。

棟匠の木の家の特長

  • 構造体にも100%無垢材を使用
  • 建築基準法で定められた構造基準よりも太い部材を使用し、大地震にも耐え得る耐震性能を実現
  • 標準仕様で長期優良住宅認定基準をクリア
  • 2階建て木造住宅では義務付けられていない構造計算を全棟で実施
  • 耐震性の高さを見える化し、数値に基づく確かな耐震設計を徹底

防災対策~備える家づくり~

地震そのものへの強さだけでなく、停電や家具の転倒、ガラスの飛散など二次災害への備えや、避難が必要になった場合への対応策も大切です。

最近は感染症対策として避難所ではなく在宅での避難を推奨する声もあり、これまで以上に住まいにおける防災対策が重要なものに。次にご紹介するポイントを参考に、緊急時にもとっさに対応できる安心・安全な環境を整えておきましょう。

パントリー

ストック品の収納に便利なパントリーを活用することで、スマートに備蓄品の管理ができます。非常食をただストックするのではなく、普段から食べているもの、使っているものを備蓄しておいて日常的に食べながら買い足していく備蓄(ローリングストック)がおすすめ。使った分だけ補充するので消費期限切れが少なくなり、経済的な負担も減らせます。

そのほかのポイントは次のとおりです。

  • 最低限の備蓄をすることを、普段から意識しておく
  • 大規模地震が発生した場合に備えて、1週間分以上の備蓄が望ましい
  • 紙皿や割り箸などもまとめておくと◎

シューズクローク

ヘルメットや防災グッズなどは、避難時に手に取りやすい玄関近くの保管がおすすめ。シューズクロークを活用し、避難する際にサッと持ち出せる環境を整えておきましょう。

家族全員が分かりやすい場所に保管するというルールを決めておくことで、万が一のときも慌てずに行動できます。

太陽光発電・蓄電池

停電時は照明、エアコン、冷蔵庫などのあらゆる家電が使えなくなり、夏場は熱中症などの二次被害につながる恐れもあります。停電時も自家発電できる太陽光発電システムは、普段の生活でも光熱費の削減につながるのでおすすめです。

  • 自立運転に切り替えることで、停電時も発電電力を利用できる
    ※電力が供給されるのは自立運転用コンセントという特定のコンセントのみ
  • 蓄電池をプラスすることで、夜間は蓄電池に備蓄された電力を利用できる

V2Hシステム

「Vehicle to Home」の略で、電気自動車に蓄えてある電気を家庭でも使用できるようにするためのシステムのことです。

  • 導入には「V2H充放電器」と「V2H対応の電気自動車」が必要
  • 太陽光発電で創った電気を電気自動車にためておき、再度家庭用に使用することが可能
  • 停電時には蓄電池や電気自動車にためておいた電気を利用できるので安心
  • 自治体によっては補助金が用意されているので、お住まいの自治体に確認すると◎

エコキュート

電気で沸かしたお湯を貯湯タンクで保温しておき、普段はキッチンやお風呂の給湯として使う設備です。

  • 災害時に電気や水道が止まっても、タンク内のお湯をしばらくは使用することが可能
  • タンク下の非常用取水栓からタンク内のお湯や水が使える
    ※飲み水としては使用できないため飲用は控えること
    ※停電時でもかなり高温の場合があるため注意が必要

雨水タンク

飲料用以外の生活用水の備蓄には、屋根の雨どいから雨水を集めて貯蔵しておける雨水タンクがおすすめです。

  • タンクの容量は200リットル程度が一般的
  • 普段はガーデニング用や掃除用に活用できる
  • 治水効果を期待できるものとして助成金制度を設けている自治体もある

保安灯

夜間に災害が発生して停電した場合、暗闇での避難は非常に危険です。普段は足元灯、非常時には取り外して携帯電灯として活用できる保安灯を用意しておけば、緊急時の明かりの確保に役立ちます。

造作収納

家具の転倒食器類の飛散は二次被害のもと。造り付けの造作収納なら家具の転倒を防ぐことができ、下敷きになる危険や避難経路の妨げになるリスクが軽減できます。また、カップボードなどの扉は引き戸にしておけば、地震の揺れで扉が開いて中のものが飛び散ることも防げます。

防災瓦・金属屋根材

1枚1枚が屋根にしっかりと固定されている防災瓦は、揺れや強風によるズレや飛散を防ぐことができます。一般的な瓦よりも軽いため屋根が軽量になり、地震の揺れが小さく倒壊しにくいというメリットも。また、ガルバリウム鋼板やエスジーエル鋼板などの金属製屋根材も、軽いうえに耐久性、耐震性、耐風性に優れているのでおすすめです。

防災安全複層ガラス・シャッター

地震による建物の歪みや家具などの衝突でガラスが割れると、避難経路の妨害にもなり危険です。また、強い台風の場合には、飛来物で窓ガラスが割れて室内にガラスの破片が飛散する危険性もあります。

割れても飛散しにくい防災安全複層ガラスと、飛来物から窓を守るシャッターを備えておけば安心度はぐっと向上。防災対策だけでなく、防犯対策としても効果的です。

家族の安心と安全を守るため、災害への強さにもこだわる棟匠の家づくり

住まいは楽しく快適な暮らしを送るための場所であるのはもちろん、非常時にも家族の安全と安心をしっかり守る場所であることが大切です。

健康を気遣う木の家づくりを大切にする棟匠は、住まう人の安全と安心もしっかりと考えて、災害に負けない家づくりをお手伝いします。

棟匠の家づくりについて、くわしくはこちらをご覧ください。

Back

モデルハウス来場予約アイコン

モデルハウス
来場予約

資料請求アイコン

資料請求

おためしプラン設計アイコン

おためし
プラン設計

オンライン相談予約アイコン

オンライン
相談予約