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沖縄で建てる木造住宅のホントのところ

日本列島の南西端に位置する沖縄県亜熱帯性気候に属し、年間を通して温暖な気候であることで知られています。海に囲まれた地理的条件などから本州とは異なる独自の文化が築かれ、住宅建築においては木造住宅よりも鉄筋コンクリート造(RC造)の建物が圧倒的に多いという特徴がみられます。

しかし近年、木造住宅の戸数が増加傾向にあり、人気が高まっている様子が伺えます。今回は高温多湿な沖縄の風土にも対応する、木造住宅の魅力についてご紹介します。

沖縄の家に鉄筋コンクリート造が多い理由

そもそも、なぜ沖縄の住宅には鉄筋コンクリート造(RC造)の建物が多いのでしょうか。台風やシロアリ被害への対策という意味もありますが、理由はそれだけではありません。

もともと沖縄の住宅は琉球建築と呼ばれる木造住宅が主流で、コンクリート化が進んだのは戦後と言われています。戦争によって多くの住宅が焼失した沖縄では、復興のために米軍から2×4(ツーバイフォー)工法による規格住宅が無償提供されました。

しかし当時は良質な木材が手に入りづらく、解体した建物の資材を再利用するケースも多かったため、台風やシロアリの被害が目立つようになりました。さらに米軍施設も甚大な被害を受けたことからコンクリート化がおこなわれ、やがて沖縄全体でコンクリート建築の推進が本格的に図られることとなります。

こうした背景により、沖縄の建物はコンクリート造が中心となりました。2015年度以降は新設住宅における木造住宅の割合が増えつつありますが、それでも鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅が占める割合は現在でも8割を超え、圧倒的な数を誇っています。

図表:沖縄県公式ホームページ「住宅建設の動向 (4)構造別個数の推移」より引用

沖縄の伝統的な家”琉球建築”とは

沖縄の民家といえば、赤瓦の大屋根をのせた平屋で、シーサーの置かれた玄関先からぐるりと石塀に囲まれている…というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。このような建物は”琉球建築”と呼ばれ、どっしりとした印象ながらも実は木造住宅なのです。先人の知恵によって築かれた琉球建築は、次のような特徴を持っています。

琉球建築のおもな特徴

  • 一般的な木造住宅に比べて間仕切りが少なく、風通しが良い
  • 強い日差しを防ぐために、深い軒が設けられている
  • 台風対策として家を石垣で囲い、さらに屋敷林と呼ばれる樹木を植えて強風が家に直撃しないよう工夫されている
  • 屋根瓦を漆喰でしっかりと固定し、屋根や建物を重くすることで吹き飛ばされないよう工夫されている

国の重要文化財にも指定されている中村家住宅は琉球建築の代表格ともいえる木造住宅で、築200年を超えた現在でも堂々たる佇まいをみせています。このように、本来の良い木材と職人の技によって建てられた木造住宅であれば、高温多湿かつ台風の多い沖縄の地においても木造住宅の耐久年数は他の構造や工法にひけをとりません。

琉球建築は現代ではあまり見受けられなくなりましたが、沖縄の風土に根差した昔ながらの伝統的な民家として大切に受け継がれています。

沖縄の環境や気候に合った木造住宅の特徴

近年になって沖縄でも木造住宅の需要が再び高まりつつありますが、やはり台風やシロアリへの対策が気になるという声も聞かれ、鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅が圧倒的に多いことは先にご紹介したとおりです。しかし実は木造住宅は沖縄の気候とも相性が良く、次に挙げるような魅力や特徴を備えています。

優れた耐久性がある

木材は水分や湿気に弱く、鉄やコンクリートに比べて風雨による劣化やシロアリなどの害虫被害も受けやすいことは事実です。また、木材は木材でも、住宅用建材として多用されている集成材は木材を接着剤で貼り合わせた木質材料で、接着剤が劣化して強度が弱まる恐れがあります。

しかし、丸太から切り出したままの無垢材は年月を重ねることで強度が増す特性を持っており、さらに十分に乾燥させた木材は驚くほどの強さと耐久性を発揮します。ちなみに棟匠では、普段見えない構造材にもしっかりと乾燥させた良質な無垢材を使用しています。

1000年以上前に建てられた木造建築の法隆寺や200年以上前に建てられた沖縄の中村家住宅が未だ現存しているように、良質な材料と職人の技によって建てられた木造建築は、適切なメンテナンスをおこなうことで鉄やコンクリートにも負けないほど長持ちする力があることがわかります。

シロアリ対策も万全

シロアリはおもに湿気が多く温暖な環境を好むため、沖縄の気候シロアリの好む条件が揃っています。シロアリといえば木造住宅特有の悩みと思われがちですが、実は鉄骨造や鉄筋コンクリート造(RC造)の建物でもシロアリは発生します。

かつて一般的だった布基礎の場合はとくに、地面がコンクリートで覆われていないため湿気が建物へ伝わりやすいことに加えて建物を支える支柱そのものがシロアリ被害を受ける危険性もありました。近年では地面一面が厚いコンクリートで覆われたベタ基礎が主流となり、シロアリ被害は減少しています。

棟匠でもベタ基礎を採用するのはもちろん、次のようなシロアリ対策をおこなっています。

シロアリを寄せつけない棟匠の家の特徴

  • 床下や壁内などシロアリの発生しやすい場所の湿気を徹底して防ぎつつ、土台、大引きは抗菌性・防虫性に優れた無垢檜の赤身の心材を使用
  • 外周部の立ち上り幅や高さを一般的な基礎よりも広く高く設けることで、シロアリが登りにくく、食い破りにくい基礎を実現

天然の調湿作用で快適

「木は呼吸している」と表現されるように、無垢の木には天然の調湿作用が備わっています。一方、コンクリートは吸湿性が低く、家の中が蒸し暑く感じるカビが発生しやすいといわれています。

  • 木は室内の湿度が高くなると湿気を吸収し、逆に乾燥すると湿気を放出する
  • 木はコンクリートに比べて調湿性が高く、結露しにくいためカビの発生も抑える
  • 天然の調湿作用でいつも快適な湿度に保ってくれるため、湿気が多く蒸し暑い高温多湿の気候にぴったり

高い断熱性をもつ

木の内部には細かい気泡が集まっているような層があるため、断熱性に優れていることで知られています。たとえば、熱い汁物を入れた木のお椀を手にとって口をつけることができるのは木の断熱性をうまく利用しているためです。

  • 木は断熱性に優れており、鉄やコンクリートよりも熱伝導率が低いという特性がある
  • 一方、コンクリートは熱を伝えやすく蓄熱量が多いため、一度温まると冷めにくい
  • 木は外気温度の影響を受けにくく、エアコンが効きやすいため省エネにもつながる
  • 鉄やコンクリートに比べて木に触れても冷たく感じないのは、木が人の体温を奪わない性質を持っているため
  • 天然の断熱性をもつ木の特性をいかすことで、夏涼しく冬暖かい住まいが実現できる

建築費用を抑えられる

一般的に木材は鉄やコンクリートよりも安価なため、鉄骨造や鉄筋コンクリート造(RC造)の建物に比べて比較的低コストで建てられることも大きな魅力です。

ちなみに、同じサイズの住宅を建てる際、鉄骨住宅は木造住宅の1.5倍以上のコストがかかるといわれています。

間取りの自由度が高い

コンクリート造(RC造)は自由に造形できるコンクリートを使用しているため、間取りの自由度が高く大空間を作りやすいといわれています。木造においても、棟匠が採用する木造軸組工法であれば木材の長さや組み合わせ方次第で柔軟な設計が可能です。ただし、部材が規格化されている2×4工法の場合は間取りの自由度は低くなります。

  • 「あと数センチ広くしたい」や「収納が欲しい」などの要望に応じた自由な空間づくりがしやすい
  • 柱と梁で構造を支えているため壁を抜きやすく、大空間が広がる開放的な間取り大きな窓を設置しやすい
  • 間取りの変更や増築も比較的しやすく、部屋数を増やしたりバリアフリー改修をしたりなど将来的なリフォームの際にも柔軟に対応できる

木の癒しを感じられる

木の香りには、リフレッシュ効果やストレスを軽減する効果があることで知られています。
構造材にも良質な木材を使用する棟匠の家は、梁や柱を現し(あらわし)で仕上げることで木のやさしさや存在感がより引き立つ空間づくりが可能です。

また、木のもつ調湿効果や癒し効果も自然に取り入れることができます。

高温多湿の気候でも一年中心地よく過ごせる、棟匠の木の家

製材所からはじまった棟匠の家づくりは、自然素材である「木」の特性や魅力を存分にいかした家づくり。

その土地の気候風土にあった木の住まいを提供し、ご家族の健康と笑顔を見守り続けています。無機物にはないやさしさやぬくもり、心がほっと安らぐような心地よい空間をぜひ体感してください。

沖縄で建てる棟匠の木造住宅について、くわしくはこちらをご覧ください。

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